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【市民研通信】ゲームで浮かび上がる地域の健康課題:ネゴバト津軽版(東目屋版)の実践報告

NPO法人市民科学研究室が発行している『市民研通信』2015年3月(通巻175号)で、2015年2月8日に東目屋公民館(弘前市)でネゴバトが行われた報告が掲載されました。

【市民研通信】ゲームで浮かび上がる地域の健康課題:ネゴバト津軽版(東目屋版)の実践報告

日比野愛子
(弘前大学人文学部、市民科学研究室科学コミュニケーションツール研究会)

生活習慣病は、まさにその土地その土地の「ローカルな生活習慣」と深く結びついています。都市部の会社員が直面する健康のジレンマ(板挟み)が、地方ではまったく当てはまらなかったり、逆に、地方ならではの悩みがあったり。市民科学研究室科学コミュニケーションツール研究会では、生活習慣のジレンマを取り上げて議論をするための対面型交渉ゲーム、ネゴバトを開発してきました。このゲームでは、「わかってはいるけれど、やめられない」というような生活と健康のジレンマ状況をめぐって、誘惑者役のプレイヤーが、人間役のプレイヤーに「不健康な行動」をとるよう誘惑する仕掛けとなっています(※ゲームのあらましや開発の経緯については、『市民研通信』第24号(2014年4月号)の記事をご参照ください)。市民研で作成してきたネゴバトは、どちらかといえば、都市部の企業に勤め始めた新人会社員の物語を想定したものでした。今回、ネゴバトを青森県津軽地域(弘前市東目屋地区)の中高年層の方々に使ってもらおうとしたとき、悩みの内容はもちろん、ルールについても改良が必要ではないか、というアドバイスを地域の公民館スタッフにいただきました。このネゴバト津軽版(東目屋版)の作成プロセスを振り返ってご報告したいと思います。image_175

・・・続きはPDFファイルにてお読みください。

ゲーミフィ・ジャパンさんと

ネゴバトをFacebookで参照いただいたご縁で、ゲーミフィ・ジャパンの方たちと、2月にお話しさせていただきました

アカデミックで教材やアウトリーチ活動で「ゲーム」を作る人たちが増えているのと同様に、ゲームクリエイターたちによるアナログゲーム(カードゲーム・ボードゲーム)市場が拡大しつつあることなどの興味深いお話しを伺いました。

「データ」を持っている研究者と、「システム」を作っているクリエイターの方たちが協力して、ゲームを作っていけたら面白いでしょうね!

(報告者:江間有沙)

 

毎日新聞(青森)でネゴバトの紹介

毎日新聞(青森)で、弘前市でのネゴバト実践が紹介されました。

ネゴバト津軽版:完成、ゲームで生活習慣病知識を

ゲームで生活習慣病の知識を深める「ネゴシエート・バトル」(通称ネゴバト)の津軽版が完成し、8日に弘前市の東目屋公民館で住民に披露された。食べ物や人間関係を巡る二者択一を参加者に迫るゲームで、「自分に甘い」選択ほど「ハッピーポイント」が増えて勝利に近づく一方、選択が血圧、血糖値、コレステロールに与えた影響が最後に示され、健康をどれほど損なったかも分かる(毎日新聞/青森 2015年2月14日)。

陸奥新報でネゴバトの紹介

陸奥新報で、弘前大学人文学部 杉山祐子教授がネゴバトのことを紹介してくださいました。

現在、ネゴバトの地方版を作っており、その試みについてご紹介いただきました。

「板ばさみの選択」ゲームで見直す生活習慣

ネゴバトの津軽地域版がほしい!社会心理学を専門に研究している日比野愛子さんは私の同僚でもあるのだが青森県の生活習慣病対策に役立てるべく、ネゴバト津軽地域版の開発を進めてきた。津軽版の仮想「板ばさみ」状況としては、たとえば、津軽地域でおなじみの食べ物が「おいしいから、ついたくさん食べてしまうけれど、食べすぎるのは身体に良くない」といった例が考えられるこの状況津軽地域の食になじんだ私には、いろいろと思い当たるふしがある。赤カブを筆頭とする漬け物類や筋子などの魚卵類…。あつあつのご飯と相性がいいので、塩分やカロリーの摂りすぎになるぞと思いながらも、つい食べすぎてしまうことがしばしばだ。こんな私がネゴバトで人間役に当たったら、誘惑を待つまでもなく負けてしまうだろう。いや、津軽の食べ物についての「板ばさみ」状況ならいくらでも思いつくから、いっそ誘惑役になれば強いかもしれない。
日比野さんは、弘前市の東目屋地区住民の方々の協力を得て、ネゴバト津軽版を試してみる予定だという。その結果からさらに、弘前大学医学研究科と連携しながらネゴバト津軽版の改良と普及をめざすのだそうだ。健康に良くないと思いつつ、あなたがつい誘惑に負けてしまう「板ばさみ」状況は何ですか? 今なら、それはネゴバト津軽版の改良に役立つかもしれません。

【市民研通信】不健康への誘惑:ゲーミングで生活習慣を考えよう

NPO法人市民科学研究室が発行している『市民研通信』2014年4月(通巻170号)で、2014年3月3日に京都大学で行われたワークショップ報告が掲載されました。

【市民研通信】不健康への誘惑:ゲーミングで生活習慣を考えよう

江間有沙
(京都大学 白眉センター、市民科学研究室科学コミュニケーションツール研究会)

2014年3月3日の桃の節句に、純和風の和室がある京都大学吉田泉殿にて、雛遊びならぬ、”人を不健康へと誘惑をするゲーム”のワークショップを開催しました。市民研で開発してきたこのゲームの紹介とあわせて、ワークショップ当日の様子と今後の展望についてご報告します。

1.ゲーミングで生活習慣を考える

生活習慣病の予防というと、「不摂生しないように」などお説教されるのではないかと身構えてしまうかもしれません。しかし、人は常に健康だけを意識して生きているわけではありませんよね。仕事で成果を出したくて毎日頑張っていること、家族や友達との付き合いで楽しくてついつい羽目を外してしまうこと、あるいは夜中に甘い物やしょっぱい物は食べてはいけないと「わかってはいるけれど、やめられない」ことや、疲れていて運動ができないなど「それができたら苦労はしない」というようなこと……いろいろなジレンマを抱えているのが普通です。

市民科学研究室の科学コミュニケーションツール研究会では、2008年ごろより、科学コミュニケーションのツールとして、ゲームを使うことができないかを検討してきました。私たちが制作したのは、生活習慣のジレンマを取り上げて議論をするための対面型交渉ゲームです。ゲームでは、「わかってはいるけれど、やめられない」「それができたら苦労はしない」というような生活と健康のジレンマ状況をめぐって、複数のプレイヤー同士で、相手を健康ではなく不健康にする行動へといかにうまく誘惑するか(「誘惑者」役)、あるいはその誘惑にのるメリットと不健康のデメリットをどう天秤にかけて選択するか(「潜在的な患者」役)の攻防が繰り広げられます。あえて、常識に矛盾するようなテーマを設定することで、自分や他者のこだわりを浮き彫りにし、議論や生活習慣改善へのきっかけを作るわけです。

ジレンマカードには、たとえば次のようなものがあります。
あなたならこんな時、どうしますか?

・・・続きはPDFファイルにてお読みください。