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【市民研通信】不健康への誘惑:ゲーミングで生活習慣を考えよう

NPO法人市民科学研究室が発行している『市民研通信』2014年4月(通巻170号)で、2014年3月3日に京都大学で行われたワークショップ報告が掲載されました。

【市民研通信】不健康への誘惑:ゲーミングで生活習慣を考えよう

江間有沙
(京都大学 白眉センター、市民科学研究室科学コミュニケーションツール研究会)

2014年3月3日の桃の節句に、純和風の和室がある京都大学吉田泉殿にて、雛遊びならぬ、”人を不健康へと誘惑をするゲーム”のワークショップを開催しました。市民研で開発してきたこのゲームの紹介とあわせて、ワークショップ当日の様子と今後の展望についてご報告します。

1.ゲーミングで生活習慣を考える

生活習慣病の予防というと、「不摂生しないように」などお説教されるのではないかと身構えてしまうかもしれません。しかし、人は常に健康だけを意識して生きているわけではありませんよね。仕事で成果を出したくて毎日頑張っていること、家族や友達との付き合いで楽しくてついつい羽目を外してしまうこと、あるいは夜中に甘い物やしょっぱい物は食べてはいけないと「わかってはいるけれど、やめられない」ことや、疲れていて運動ができないなど「それができたら苦労はしない」というようなこと……いろいろなジレンマを抱えているのが普通です。

市民科学研究室の科学コミュニケーションツール研究会では、2008年ごろより、科学コミュニケーションのツールとして、ゲームを使うことができないかを検討してきました。私たちが制作したのは、生活習慣のジレンマを取り上げて議論をするための対面型交渉ゲームです。ゲームでは、「わかってはいるけれど、やめられない」「それができたら苦労はしない」というような生活と健康のジレンマ状況をめぐって、複数のプレイヤー同士で、相手を健康ではなく不健康にする行動へといかにうまく誘惑するか(「誘惑者」役)、あるいはその誘惑にのるメリットと不健康のデメリットをどう天秤にかけて選択するか(「潜在的な患者」役)の攻防が繰り広げられます。あえて、常識に矛盾するようなテーマを設定することで、自分や他者のこだわりを浮き彫りにし、議論や生活習慣改善へのきっかけを作るわけです。

ジレンマカードには、たとえば次のようなものがあります。
あなたならこんな時、どうしますか?

・・・続きはPDFファイルにてお読みください。